スポーツドクターの存在意義とは?
医師による「診断」を受けるということ
スポーツを続けるうえで、避けては通れないけが・故障の問題。もちろん、けが・故障をしないことが1番ですが、どれだけ気を付けていても、スポーツにかかわっている限り常にそのリスクは隣り合わせといえます。けが・故障によるトレーニングの中断、あるいは試合の欠場をせざるを得ない状況に遭ったことがない、そういった方を見たことがないというケースの方が稀ではないでしょうか。
そして、多くのけが・故障は身体の内部で発生しているので、表面を見る、触るだけでは本当の状態がわからないことの方が多いです。そうした状況で、レントゲンやMRI等といった客観的な検査を通して体の内部を調べ、痛みや違和感の原因を診断することができるのは医師だけです。
「診断」と「治療方針」の関係
医師はけが・故障の原因となる診断をつけた後、患者さんと一緒にその治療方針を立てることになります。では、けが・故障をした場合、どのように治療するのが適切でしょうか。
骨折等を除いて、多くの場合、スポーツによるけが・故障は、日常生活に影響を及ぼすものではありません。例えば、ランナーにありがちなアキレス腱炎も、走ったら痛みが出るものの、普通に歩いたり日常生活を送るにはなんら影響がなかったりします。そういったけが・故障も多くの場合、「オーバーユース(=使いすぎ)」が原因と診断されることが多く、しばらく安静にしていれば治ります。そのため、スポーツに明るくない医師は「3か月安静にしておいてください」等、休むことで患部が改善するのを待つよう指導します。
もちろん、その言葉は患者様を思ってのことですし、医療者として正しい行為だと考えます。ですが、本当にそれがスポーツを愛する患者様にとって最善の治療方針でしょうか。
例えば、アキレス腱に痛みを抱えている患者様のなかには、「1か月後に引退試合が控えている。この大会後は当分運動できなくなってもかまわないので何とかしたい」といったケースもあれば、「健康のためにランニングをしているので、しばらく我慢してでもまた元のように再開したい」といったケースもあります。同じ症状であっても、同じ治療を行うのが正しいとは限らないのです。
スポーツドクターの強み
先ほどの引退を控えている患者様は、なんとか当日できる限りのパフォーマンスを発揮できるよう、痛みとうまく付き合いながら運動する方法を模索したいと考えているのではないでしょうか。手術によって、本来数か月安静にしていれば治る部位にメスを入れるという選択肢もあるかもしれません。
一方、時間をかけてでも元通りの状態に戻りたいとお考えの患者様は、痛みの改善だけでなく、再発防止のため、アキレス腱に負担のかからないランニングフォームづくりやストレッチ、筋力トレーニングなどを取り入れていきたいとお考えかもしれません。そうした1人ひとりの思いにお応えし、最適な治療方針をご提案できるのが、スポーツを専門とし知見のあるスポーツドクターの強みだと考えています。
院長はスポーツドクターです
当院の院長は日本スポーツ協会のスポーツドクターの資格を取得し、これまでも陸上競技・アメリカンフットボールの選手を中心に、数多くのスポーツに取り組む方を診療してまいりました。もしスポーツを続けるうえで気になることなどございましたら、お気軽にご相談ください。